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2007年06月16日

#12 メリーさん 現代版


これは帰宅してから

独りで過ごしていたときのことだった。



両親は今日は帰ってこない。

父は重役でちょうど
書き入れ時で残業、

母は同窓会でオールらしい。



父はともかく
母のことはたまの息に抜きには
いいのかなと感じていた。


とは言うものの、
この家では気を使うことはない、
母親がにぎやかなので鬱陶しいくらいだ。


でも

ズケズケという感じではないので
放任主義的なあっさりしたところはある。



妹は仲のいい友人の家に
泊まると言って帰ってこない。


仲のいいね…、

最近親しい異性がいるところを
見たことがある。

男女複数人なので


グループ交際ということか…



この家はでは母親が
アレだから

おそらく

大概のことは大目に見られる。


だから、特別心配なことはない。
寛容ではあるがお節介とは違う。


妹がどう思っているかわからないけど、
私も介入しない。



というか、妹にカレシだなんてナマイキ。

単に、私の行き過ぎた妄想かもだけど。


とはいうものの

ニコニコした表情は愛嬌があるし、
一時期から比べれば

アレはアレで幸せそうだから、
そうなって欲しかったし、

まあいいじゃないか、

よかったんじゃないか

という本心もある。






私はというと、


まあね…



夏のはじめとか、

クリスマスとバレンタイン、


卒業シーズン


には何かと物入りですが、何か?


だって、あきらめたら
お終いじゃないのよ



……うゥ…ぅ



勝負するまでもなく

軍配は、妹に上がり…


…ふうゥ



不毛な争いだったね。



だからって、

泣かない…


………


何よぉ


こっち見ないでよ


見せモンじゃないんだから…ね





……………


それはそうと、


私たちは父の仕事が安定する前までは
引っ越しを数度経験している。


色々と気分がよかったとは
言いきれないけど、

精神的には鍛えられた。


そういうハメにあっている。




私は引っ越す前は友ダチ
とも思わなかった

エリカと離れていても文通していた。

私はエリカと引っ越す前には
くだらないことで喧嘩して

あんまり話さなかった。

でも離れた後で和解することになった。


より身近かに人と付き合うには
互いの距離感によって付き合い方が

変わるかもしれない、

変えるべきかもしれないと

子供心にも気付くことになった。



自分の等身大の在り方で、
相手に合わせたやり方で。



それからは

出会いと別れに対しての
考え方は払拭され、

ある意味で


吹っ切れた。




ちょうど
携帯が使えるようになって、
エリカと他愛もないことも、
多感な時期の重大な悩みの数々も…

通話とメールでやりとり
するようにもなった。


進学してまた、
同じ学校に通うことになった。

一緒に励ましあって、
苦手な勉強がんばったっけ。



そう、

私には時間が経っても
枯れることない友情がある。




最近ではノーパソでネット接続で
快適にblog更新。

顔を知らない友人とも
それなりには言葉を交わす。


今度はパソコンの利便性を活用して
無料通話にも挑戦かなぁ



お父さん、ありがとーーー





とは言うものの、


たった一人でパソコンの前で
何かを書くより

他人の記事を見ている方が
楽しい気がする。



なかなか、面白い記事書くのって

骨折れるね。


コメントなら気楽でいいけどね。



あとはメールでやりとり。


基本的に人と関わることが好きだから。

それないにキーボードにも慣れてきた。




なので、

ほっと一息つく頃には
誰も居ない、その静けさに
気が付くことになった。


あんまし、
ゲームみたいに遊び出したら
止まらないみたな、

集中力だけでやってても、

長い時間、

モニターを見続けているせいで
目が痛くなってくるのは勘弁だからね。


WEBで自身のblogで何か書いたり、
情報発信しているのって

今更ながら、

スタンダードになっているけど
その内情は更新作業に時間をかけて
一人で黙々とキーを叩く、

インドアな自分を作ってしまう。


内容は華やかな風を気取っているのにね…

陰の努力がモロバレじゃないの。


努力はしすぎると他人に強要したり、
そうしないとダメ人間とか、
そういう考え方になったり…

なにより自制心で忙しくなる…


タイピングが速くなれば
全然問題ないかもしれないけどね。


5年も前より、
パソコンに向かって何かやってる人の印象は
和らいでるようだけど、

もうIT,IT…なんてアホみたく
連呼しなくても

若い世代の人には、急激なスピードで
浸透しているから、

もう

なんでもかんでも今更なんだよね。


その速さに付いていくのは
何の目的なしのままだと

はっきり言って辛いでしょう。


新しいもの好きでもないかぎりはね。


とはいっても、
実際に更新作業に時間を費やしている
自分自身を他人に見せることは
しないでしょう…

ネットでつながり合うことを覚えても
私生活のプライベートまで明かすことは
必要ないんだろうと思う。


実際に!


オフで会う人すべてだって
親しくない人に自分をさらす
ことはしないわけだし

親しくなければ、そうすることは
危険なことだから。

親しく対話するにはそれなりに時間と
節度が必要になっているのだから…


それも一般的な常識では表の顔を
整えておくことが人間的に好まれやすい
基本になってる。

それに反すれば、痛い目を見るのは結局的に
自分自身の他に居ない。

隠して言わないことはできても
言葉には常に公衆の面前にさらされて
いるのだから…

もし、変わった発言をすれば、
変わった目で見られる。

全く誰にも反応なくなって、
しまうなんてこともあるでしょう。


でもね


アクセスがあるってことは…

興味から来るのか、侮蔑の表情で眺めているのか
わからない…反応がなければ。


新しい交流を求めて、踏み出した地平に、
いざこざに巻き込まれるために赴いた

つもりはない。

ただ、人間同士が心からぶつかり合って
人間関係を築いていくためには、

当たり障りのない言葉を選び
続けることいつまでたってもはそれから先を
進展させない停滞状態なようでもある。


社会人となると…

儀礼的な挨拶、社交辞令、大人の事情

そんなものが社会性の内に組み込まれている。


それがネットでの顔では年齢の違いが
ボーダレスなっているわけだから、
余計に気にするか、気にしないか…

複雑にない交ぜになって作られた表情。


人は複数を顔を同時に持っていて
別の人と対話するとき別の顔を、
親しさによって使い分けたりするのに

ネットでの言葉では一様に一つの顔で…

けれどそれによって特定の人間とは
意気の合った交流を得られる可能性がある。


果てしなく広くて浅はかな世界は
扱い方によって多様に変化する。


扱う者の意思と動向によって…



普段は更新作業に複雑すぎる言葉も
考えることもしないまま、


編集にだって時間をかけずに
公開している。


blogの特性は妙にアレンジや
編集したマジメなものより気軽な文面で
生活感を感じさせるようなところが
親しまれていることからも…


それでもありふれ過ぎてていると
面白いのかは微妙…

結局人は他人事だから
どうでもいい日常だけなんてつまらない
生活感が出せて親近感…

とか言ってるけど、
面白くないことに人はどうしても
反応してくれないよ。

あって、結局は非日常を多くの人が
面白がっているんだから


そうじゃなくてもっと真剣に
付き合っていく人もいるでしょうけど
出会う人すべてにそんなことできるわけない


だから、

できるだけ付き合いやすい人と

付き合っていく。


それって人間関係の基本でしょ。

そうでもしないと
色々な人に振り回されて
お終いだからね。

挙句にウザがられたら
それだけで泣きそうになるくらい
心が痛くなるし。


がんばりすぎても
何かと問題あるよね。


がんばっててよかったって
思えるのは、あんまり苦しすぎたら
そう思える前に挫折しちゃいそうだもんね。


だから、やってて楽しいがないことにはね。




けれどすべての人に好意を
持ってもらわなくても

できるだけ多くの人に、

というだけのこと…



……………


ある程度、
一日分の作業を終えたところで
手を置く…

必死こいて作業して時間を使っても
それによって得られる価値が見いだせ
なければ、他に何もできなくなるくらい
時間を消耗してしまって自己責任だ。

ネットの世界とは
どれだけがんばったから
これだけ報われる

という世界ではなく、


偶然が必然になる世界だ。


運の良さとトレンドによる好感触、
をも内包している。

時事の追い風に乗る、時代が味方する
ような…

まるでそれは、

今を生きる人々の嗜好の変容が

そこかしこに

ちりばめられているようだ。



そんな中にあって

適度に、適切に…





今日は、

帰りを待つものはいないことを
以外に思いながら

特に何があるわけでもなく、

ソファに腰掛けて、
くつろいでいた。


ちょっと、妙な気分だった。


普段は家には誰かいたし、
時間がある日は気の会う友人と
連れ立ってショップを巡ったり、
カラオケや茶店で何時間だって
話の花を咲かせて過ごしていたりなので。


別に毎日独りきりになる時間が
ないというのではなくて、

それは必要最低限のことで、
独りを感じことは稀なことだ。


こういう状況になったのは
予期していたわけでなかった。




今日は親友のエリカと映画に行く
はずだったのに。



それがドタキャン。



理由は、バイトでミスって
対応に追われて

やめさせられるかどうか
危ういことになったらしく、

今日だけは

時間が欲しかったって…




なんでいきなり…



トラブッてんのよ。




それでなぜか、
今日は映画館が閉館していた。



どうせ、行けなかったのか…





なんだか拍子抜け









最悪なんですけど。






……………



まあ、後日でもいいと

いえばいいんだけど


なんかこう、


すっぽかされて

放置された挙句に、これかい…



この空虚感がちょっと、

やることもなかったから
呆然としながら午後ティーで
のどを潤していた。



エリカに埋め合わせして
もらわないと気がおさまらない。

さてと、


バツゲーム何がいいかなぁ?



どうしてやろうか考えていながら、
暇にだったのでパソコンを起動させて、

気になるblogが更新されているか
どうかチェックしてみた。


結構、毎回に見ていると
じっくり読むより飛ばし
読みになっている。



今日は注意力も
落ちているのかもしれない。


時計が19時頃になった。

帰ったのは17時半頃だったから
それなりには時間は
経ったったみたいだ。



メールを受信したことを
システム音声が告げる。

それなりにはパソコンの方に
メールを送ってくる人もいる。

それとも、

単に自分向けの連絡内容だろうか。


奇妙な感じがしたのはブ
ラウザの受信ホームに記載された
指出先のメールアドレスが…



文字化けしているから。



これは明らかにオカシイ。



すぐに削除しようとした。




そう思って、


メールのタイトルを
同時に確認したとき…








わたし、メリーさん






はァ?


アブナイね、題名からして。



よくは知らないけど、
ウイルスメール??かな


意味わかない様な内容は
即効削除すればいい。

さもないと、
ウイルスに感染して最悪なことに
なるらしいことは

パソコンに詳しくない私でも
それくらいなら知っている。



難しくてすぐ最悪なことになるなら、
パソコンなんて使うはずがない。


専門知識を知らなくても気軽に
使えるようになった今だからこそ
便乗しているに過ぎないし、
色々知っているから凄いとか
というより、

どう使えるかとか、
もっと簡単なのかないかとか
もっと使いやすくてコストがかからないやつ

ということを意識の念頭において
使ってきたつもりで、

携帯の機種変や、

パソコンのメールアカウント取得も
パソコンでもわかる範囲内で
何度か変えたりして、

より使いやすいものに
乗り換えてきた。


ブランド志向には
あまり関心がない自分がいた。


使い勝手がよくて利用する
価値があるなら

同業多種のサービスの中から選べるとするなら
すぐにでも乗り換えるし。

ここら辺はフランクかな…、
物やツールには依存しない
という意味では。





だけど…



即刻削除したいいのだけど、

また来た。


さっきのが…







わたし、メリーさん






無駄なメールはいらないんだってば。




消去。








だけど、また。







わたし、メリーさん








うざッ




迷惑メール決定。

受信拒否は意味不明なアドレスが

入力もコピーもできない上、
設定ではやり直しになって無理ッぽかった。




こんな手間 トラセンナヨ!!!



まるでこちらが、
削除しているのをわかっているみたいだ。



消したとたんコレだもんね。



消すのもメンドイよ。
迷惑ボックスならほっといてもいいでしょ。


いちいち受信しました、
言わなくていいし。






うかつだった。





今度は迷惑メールがどばッと来た。





更新するたびに着信数が
素晴らしい勢いで上昇していく。




うっっ




システム音声、



うっさいよッ!!!



もういいよ…解除!!!





何この冗談、全然笑えない。




ボックス中身は全部、ばーッと





わたし、メリーさん






というタイトルの嵐…




なに、コレ


アホくさッ




迷惑にしたとたん、

コレだよ…





反応を楽しんでいるというの?




もしかして、
アドレスがバレているから、
設定変えただけじゃ無理なだけ?


それにしても、
このアドレス…
インターネットで表示言語を
変えたとき対応してないときに

バグって意味不敬な文字列になるアレ…

みたいに意味不明な文面、

漢字やアルファベット…
どこの国か知らない言語が
ゴチャマゼになっていて、

アドレスの指定の文字制限を無視して
よく送ってこられる…


もしかしてハッカーがイタズラのためだけに
今まさに、このパソコンをモニターしているとか…

もしくは、

あらかじめこうなるように
仕掛けられているってことかも。


最近は無線LANが爆発的に人気を誇り、
ファーストフード店、レジャー施設、
公共の利用場所でも対応が見られ

そして自宅用としても
パソコンの設置場所を選ばずに
インターネットにアクセスできる。

小型のPDAや、それと同様の機能を持つ携帯電話
それを用いて、アクセススポットにさえ赴けば…



そしてセキュリティのなされていない
無線LANの利用エリア内での使用は
容易にハッカーの侵入を招くことなりうる。


利便性を扱えば、同時に悪意も高度に進化し
ハイテク犯罪は犯罪対策といたちごっこを演じながら
闇に伏せられた手口を展開させ続ける。


その手中に、やり込められた…の?


じゃあ、これはトラップ?


ウイルスメールか…!?


もう受信しているときに
感染していたのかな…




とにかく。



もうメールはいいや。
お父さんに相談するか、
どうにかして問題解決を
考えることにしよっと。


それにしても、
ただでさえ気分悪いのにやってられない。


今は結果的に暇だけど、
こんなんのと付き合って
時間を使う気も暇もないし。

余計、最悪な気分増だし。


メールアカウントももう変えよう。



そだ、もうノーパソのネット接続を
一時的に切断しよう。




と思って、接続の項目をクリックし
設定箇所を操作する。



それで済むと思ったのに。






わたし、メリーさん…





うわッ



嘘でしょっっ




いきなりシステム音声の声色で
音声が再生された。



というか音量、ミュートにしてあるのに…

ネットつながってないのに。




ヤバい、ヤバイよ!!!






…今、駅前にいるの…







はッ、何が?


聞いてないよ、

どこにいるかなんてそんなこと。





わたし、メリーさん…




もういやだ。



パソコンをすぐ
シャットダウンしたけど


勝手に再起動始めた…。




最悪だ。何それ。




強制終了して、
電源もコンセントから
プラグを引き抜いた。




意味わからない。



電源落としたら、
もう動かないでしょ。




待ってよ、
ポルターガイストというものを
聞いたことあるけど



まさかね。


ネットに繋がってないのに
メールは受信しないよ。

ネットで電話だってできないし。



勝手にパソコンが
動き始めるわけない。



焦って操作ミスだってするはずないし。




マジに、うさかった。

なにアレ、

ワケわからない。





居間に戻り、
一息つこうとした。



さっきの午後ティーは空になった。



あ〜もう…

ソファにすぐさま、
腰を深く落としてやった。


背もたれによりかかり、
なんだかよくわからない
つまらない集中力を使ってしまい
目が疲れたと感じたので、


まぶたを閉じた。





……………






少しうとうとしてしまったが、
携帯の着信音で気が付いた。

携帯に連絡してくるのは誰だろう。




エリカかな?




メールを受信したようだ。



無意識にOKボタン連打して
内容を見てみると、文面はなく、
画像が表示される。


どこか街の一角のどこか、
街灯が辺りを薄暗く照らしている。


別に何の意味もなさそうな
デジカメ写真だろうか…、


いや容量からして携帯の写メールかな…


写真家が意図してとった風な撮り方
というわけではなさそう、

単にその場所を撮ったに過ぎない
感慨のない写真。



別にいらないよ、


こんな画像。




消去する。

差出先のアドレスを確認せずに。





まあいいか。


誰かさんの間違いマールか
送信ミスか、なんかだろう…





直後、着信音が鳴り、

今度は電話か、と
操作画面をカチッやり
いつもと同じように無意識に、
耳元に持っていった。







わたし、メリーさん


今、交差点のとこにいるの





プツッ…




もしもし、あなた誰?


…ツー


…ッー


………




返事は、なく

通話がすでに終わっていることを
むなしく感じ取る以外になかった。


聞いたところで答えてくれるとは
思えなかったけれど


つい感情的に、条件反射的に
電話に出てしまった。






メリーさんって誰よ??



眠気は吹き飛んだが未だに釈然としない。


今度はよくモザイクとかかかっている人の
声の高さを変えてあったり、
身の代金を請求するときの犯人が
声を変えていたりする
ああいう感じの高い方の声で、


変声器・ボイスチェンジャーの類で作られた音声、
音声ガイダンスの機械的な台詞棒読みような

声を発する主の情報を得るのが困難な細工か


それとも…


無機質な音声は、今の状況から
怪しく不気味なものに聞こえた。





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これが、しゃべる人形のおもちゃであっても
急に、暗闇の中で自分たった一人のときに
思ってもみないで聞こえてきたと
いたとすれば…


いかに、見慣れた、聞きなれ親しんだ
近しい覚えのあるものであっても、

予期せぬこと、
閉塞空間内での孤独状態にあること、


さらに


状況がつかめず、意味不明なことが

重なったとしたら…


一瞬の後、違和感と恐怖、不気味な感覚に
さらされ、嫌な気分になる。

そしてそれを、現実的に避けようとする。


それはもう、

非日常が悠にそこにあって

それが続けば安息なときは
形もなしに失われて遠いものとなる。


------------------------------------------



メリーさんを名乗る何者かは


律儀なのか、変質的なのか

とにかく、執拗に…


今どこにいるかを
毎回報告してくるらしい。



あの短時間の悪夢は
まだ終わってなかったの。





いい加減にして欲しい思う半面で


少し面白がり始めていた。




メリーさんなる輩は
いったい何がしたのかと。




しかし、そんな好奇心で恐怖が
和らいでしまうほど状況が
好転しているか、どうかは疑問だろう。





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好奇心で心霊スポットにいくと
最悪な結果になるという
題材の作品はメディアを
問わず王道的に扱われている。

そして
それを非現実として楽しむ娯楽は
もう100年以上前から、
そういった体験談、創作を問わず、
廃れていない…


怪談という、言葉と世界がある。


真夏のクソ暑い時期に衝動的に
欲しくなる背筋を凍てつかせるような
お手軽な恐怖体験…

その後で、しばらく余韻浸っている間は
当初の目的だった涼しい気分になることは
暑さが意識の外に追い遣られてかなうことに
なるが…


もし、当たってしまうと、


その晩は、眠れぬまま
うなされることになる…


ハズレれば、
イラだちから、
余計クソ暑くて死にそうになることも…


まさか真冬にクソ寒い時期に
やめとけばいいものを、当たってしまって
トイレに行けなくなっても、

誰も助けてくれない…



恐怖の娯楽の二次災害は
日常の心のアラを小気味よく削ぎ落とし
現実生活へと健気な意識を再装填する…

には、ちょうどいい
非日常なのかもしれない。

非現実であれば、
残虐に血にまみれても
悲劇によって精神が破綻しても

感情移入で、

感傷的に心を揺さぶる程度に
済ませられる。

あくまで、

割り切ることができさえすれば、
現実の痛みに比べても
時間がそれを克服する速度は
べらぼうに早く、
危険もある程度の精神年齢が
カバーしてくれることだろう。


一時的な棘の鋭い痛み過ぎない…

棘抜き放ってしまえば、
潜在的に自然治癒する…


そういった、
不意に求める非日常の体験を
経験し感情の揺らぎ
一つ一つ克服することによって、

あらゆる人間の感情の内一つないしは
それに連結する幾重もの

心の変化・拡がり・奥行き・深さ
に作用して、


何が怖いのか、それに至る心境を察し
人の心の動きを読み解き、

そして、心を動かす


根幹が…肉体の運動など同じように、
動かすことに発達し、引き締まる
全く稼動させなければ、

逆に、停滞するばかりか
衰えるのではないか。


無意識に心を動かすことを
日頃から行う人には
豊かな情緒や多彩な表現・表情
心からの仕種が鮮やかなものに
あふれるのではないか。


あくまで非現実を意識の力で
感情移入に複雑な心の動きを感じることも
自身のそれを活発に働かせることをも
面白いと思える人間は

非現実とわかっていても
そこに価値を見いだせる。

軽い現実逃避としても、
心の切り替えを行うことで
心の在り方、自分自身を見直し、
活路を見いだせる。

なんらかの…非現実に心を使い、
感情を揺さぶられ続けることで

情緒を培うことになっている
かもしれない。

本を読むことも、
音楽も聴くことも、
絵画を鑑賞することも
最新の迫力映像を観ることも

すべて人の手が込んだ作りもの
それでも非現実の中から
現実を育む想像性が
心の役割の一つにも思える。


しかし、度が過ぎれば…
現実を侵蝕し、精神を蝕む要因にも
なりかねない。

とかく、

他人が非現実に身を委ねる様を
目撃すると親近感より、
距離を置きたがってしまう。

それでも

並々ならぬ意識を正当な方法に
置き換えることができれば
他者の白い目で見られるどころか、
逆に褒められるということが
あるだろう…


奇人と鬼才はかくも紙一重で…



しかし、すべてにおいて

イレギュラーがある。


非現実で済ませられていたものが
実際に現実になってしまうこと。


非現実に慣れている人は
興味本位から面白がって
その扉を開き易い…

さらに危機意識の軽薄さが
新たなる危機と状況の悪化を招く



現実に事が起こってしまうこと。



非現実で済ませられるように
心をそう仕向け、

現状の危機から来る負の感情を
制御しようとするため、
半信半疑で非現実のままで
終わられようとする。

非現実が、現実に変わってしまったとき

つまりは、

感情移入によって非現実というくくりを
忘れしまったとき

そこに感じるリアリティが心を開放させる。


知っているが故に…


そうなってしまうと
非現実の中に無意識に
のめり込み、

自身の存在感を忘れてしまう。



そして次に起こす行動は

我を忘れたものとなる。



非常時の状況認識や環境適応を
訓練や精神活動などによって
普段から意識的に行って
いない限りは…

慌てふためき、
心のままに行動してしまう。


気を動転させたまま
危機的現状の打開は
極めて難しい。


==========================================



……………




そうこうしているうちに、






わたし、メリーさん


今、公園の中にいるの







公園の画像と共に。




ちょっと待ってよ。

この公園は見覚えあるよ。

そういえばさっきの交差点も…


家からは距離はあるけど、
駅前まで歩くときに
通る途中にある場所だ。



似たような場所?

ただの錯覚だよね…



でも、


もしかしたら


メリーさんはこの街にいる。


そして、

どこかに行こうとしている。



もしくは、

目的もなくただ無意味に?



来たメールのメールアドレスは
例によって、文字化け状態。


今度は文字ですらない…造語?

…というかQRコードの点、
ドットの集まりで模様を表示している
ように見えなくもないが

模様とは言い難い、
無造作で雑、

全くランダムに思える。




******************************************


最近、
インターネットで意図的に
アドレスをリンク先とは
異なった表示させることが
可能なことや、

ソフトを使って偽装というか
長いアドレスを省略してクリック率を
高める手法がビジネスでも

よく使われていることを知っていた。


もちろん悪質にも使われることがある。

別アドレスを記して、
あるページに誘導するという。


今回は迷惑に変わりないが
一方的に送ってくるというので

こういったメールアドレス偽装が
もたらす悲劇ではなく

根本的な迷惑行為だろう。

迷惑行為も高度になると
怒りより、恐怖の方が先行する。


だから関わりたくない。
迷惑行為にさらされた今、

被害者は加害者を避けることが
出来ない以上、

弱者でしかなくなる。


現実に記述された情報が
真実かどうかより、

そのときをどうにかして、
その後の行動を迫られる。


******************************************



今でもありそうな
不幸の手紙チックなところが
あるが知人の犯行ではない。

不幸の〜シリーズは
掲示板でも出現しているみたいだが
もうこれも情報が古いネタだろう。


他人に回さないと、
心理的にプレッシャーをかけて
行動させてしまう。

行動しないと大きなリスクが訪れると。





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それが生き死に関わると極端に
すぐ目に前にある生き残る可能性に
賭け、すべてを委ね、
早急に安心や、身の安全を
得ようとする。


自分さえよければ…
とにかく
まず自分が助かっていないと
他人も助けられない…


そのためなら多少の犠牲にも目を閉じる。

今までが潔癖とも過剰とも思えるほど、
悪意に対して勧善懲悪の正義感を
刷り込まれた人間であっても、

自身生きるが死ぬかという選択を
迫られれば、高潔な死を選ぶより
自分可愛さにとにかく生き残る手段に
すがることになる。


武士道精神などと
宗教的に肉体と精神を律して
頑なに律儀に生き死にの無常を悟り、
他者に対して以心伝心のような
献身的な配慮を重んじた人間性は

もはや時代錯誤なもの変わってしまった。

何故なら、時代ごとの人の精神は
その時代に適したものに塗り替えられた
教育によって、少なくとも影響されている。

過去の手法は絶対的な支配を
行き届かせるための都合で
あったこともうかがえる。

昔ほどそれはなくなっても、
根強い愛好家やひたすらに
宗教を信じる人がいる。

精神の自由がある国にでは
それを強制的に身に付けなくても
良くなった。


何が正しいかではなく、
その時代、生きる文化圏に
適した生き方をしているにすぎない。



とかいって…


身内でも犠牲に出来るナイスな生存本能。


そこにある不可抗力にも
副作用にも目をつむる。

先の心配以上に差し迫った困難を
乗り越えるため

最善で最短な道のりが導かれるだけだろう。


xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx





最近のホラーには使いまわされがちな、

やれば助かる、やらなければ死ぬ。


今すぐに選ばなければ、次はない…




******************************************


脅しのような心理的なプレッシャーを
かけるやり方は、

人の心を動かす手法として
100年前から伝えられるビジネスでも
用いられる殺し文句…

人はデッドラインを設けられると、
その期限までに残り少ないと
危機意識が芽生え、

早急に判断を下さなければならない
と潜在的に思えてくる。

その決断が正しいかどうか
ということより決断することに
意識が集中する。

メリットがデメリットより勝っていれば
即決する…ことになる。

それ以上の結果が望めるものが
他にもあるかと探すより、
目の前の必要不可欠なベネフィットを
得なければならない…と。

オークションの類も次の出物どうのより
今、得なければならない獲物をどうしようかと
必死になる。


それが、生き残る選択であればなおのこと―。


******************************************




さらに、

最近では死の予告メールや予告電話なる
題材での作品で戦慄したことがあるけど、
あれはもう着信した時点で死亡確定っぽい。



結局、何を選択しても



最悪なんですけど。




ホラー映画なんか、
面白半分で観てしまったから
小説なんか読まないくせに
内容を知ってしまって。
今余計なことを考えて、
余計な想像膨らませている
気もするけど、

この状況がそうさせるのだと

納得してみる。




ああいうのは

強制的な呪いのシステムみたいだけど
自分が誰かに呪われるようなことは
今までしていないと思う。


でも

恨まれるようなことしてないと
断言しきれない。



人を傷つけないように、
迷惑かけないように生きてはいる。

でも


どこまで行っても
そう思っているにすぎないんだね。


結局的に
他人に迷惑をかけないように
というのは自己満足の尺度
でしかないし、

他人に迷惑かけることも、
心の傷を負わせることも
少しもしないで生きている
人間なんていないから。


完璧に迷惑をかけないって
難しすぎるよ…


でも配慮を忘れてしまったら、
人間でいられなくなる。

最大多数の最大幸福、

という言葉の意味も
すべてはじめから
霞んでいってしまうから。


すべての人が幸せになれる
見込みはあっても…
事実、幸せになることも、続けるのだって
簡単じゃないじゃないの。


それに、幸せってどのくらいそうないいの?

人の欲って、尽きないもので、
もっと!とかなったら…

どんどん幸せじゃなくなってく
みたいじゃない…の。


程度がね…

人によって違うって…

怖いよ…、

そのせいで私のやってることが
小さな幸せを踏みにじるような
様なことになっていたのだとしたら…


無意識にしていることで誰かが
苦しむ理由になってしまうことは…


理不尽だ…



そういつまでも暗く考えて、
沈んだ気分でいる社会では
根暗で近寄りたくない怪しい人って
思われてしまう…

真剣に、悩んでいるのに


不条理だ…



自分の生活している空間内を
いい雰囲気にしていこうとしていかなきゃって、
思って必死こいてるのに…
それでも誰かを傷つけてるって…


私の人生を
全否定されてるみたいに
悔しくてムナシイ気分だ…


それでもなんとか、
自分なりにやってくしかないんだね。

だって、

他人だって勝手にひがんでるだけかも
しれないからね。

だから前向きにって思うんだよね。
前向きに思ってないと
すぐに泣きそうになるくらい
苦しいこと悔しいこと悲しいことも
いっぱいありすぎるんだよ…


エリカになぐさせてもらって
なんとか立ち直ったり、
またバカやったりもするけど


でもきっと、辛いことがあったぶん
いっぱい幸せになれるし、
幸せにしてあげられるって
思うようにしてる。


現に、

何回もハートブレイクした
ボロボロの精神を

今でもなんとか保っていられるのは、

きっと痛い影響を受けても、
与えてしまったとしても

前より、

経験したことで大人になって、
自分は少しでも他者を労われる
存在になっていけると信じているから。


恋愛で自分が大きく変われる、
と言っていた女性がいた。

相手の内面を知ったり、
視野を共有してその人と
新しい世界を知ることで
失恋したとしても、

いい意味でも、その反対でも

経験した後と前とでは


絶対的な差がある。


そして何度失恋を
経験したとしても恋愛することを
やめられない。

たとえ片想いで終わってしまっても、
また新しい自分と出会えることを
待ち望んで恋愛していけるのだと。


恋愛を正当化するための
理屈にも思えるけど…


何事も経験なのかな。



エリカのことを優しく許したり、
妹に負けないように

もうちょっとがんばろっかな。




……………




聞き慣れた着信音…




わたし、メリーさん


今、喫茶店の中にいるの






今まで考え事をしていた、
その平静を破るかのごとく

今さらされている状況へ
強引に引き戻される。



こちらの心境などおかまいなしだ。



ん?




喫茶店の中って…、
前の間違いじゃ?



何の冗談…



送られてきた画像を確認すると、
時間的に閉まっているのはわかる。



確かに、

友人とたわいない座談したり、恋バナしたり、
何も考えないでなんとなくってのもアリかな
そんなこんなで友人と戯れたり
じゃれたりする居心地いい空間。


よく見覚えがある場所。



誰も居ない以外には。



私の行く場所知ってるみたいな行動だね。


ストーカー?



それにしてもメリーさんなる人物は、

駅から、

パソコンからメール送って来ているとすれば、

無線LANか…、

最近、都内では街中でも専用のツールを使えば
インターネット接続出来るらしいけど


もしくは電話と一体となった小型のパソコンが…


アレはPHS?


んー、別の新しいやつ出てたよ。


あの電子手帳みたいなやつは、
パソコンみたいに軽快な操作は
そんなにできないでしょ?


でもあの携帯できるサイズと
最小限で事務用のソフトが使えるのは
仕事人にはうれしんじゃない?


でも結構な値段しますね?


いーじゃんよ、それくらい。

好きならさ。


かもね。

あたしは、未だいいや。


結局、それかい!?

あーでも、あたしも今ので十分だよ。


だよね。



……………



だいたい、他人のパソコンに了承なしに迷惑働く、
ハイレベルなクラッカーといったら、


健全なネットライフを守るとは思えない。


他者の利用サービスに
勝手に不正アクセスだってするだろう。



それにしても



メリーさんは電気街系?




コンピュータの知識に乏しい素人が
圧倒的な知識と技術を持つ存在を
敵にまわしたら、


猛獣の縄張りに放置された赤子に等しい…



ヲタ、キモッ


と、あざけることができたとしても…
仕返しされたら、すぐに不幸がやってくる。


そういう存在は人間といっても、
もう道徳や倫理で、はかれない相手と
考えなければない。


それだけ、

良心的な人だけの世界でないことも
自分がわかった気になったとしても、
把握しきれる安易な世界と人では
ないということだろう。


ネットが身近になりすぎて、
感覚が麻痺というか
利便性に心地よさを感じて

リスクに足を踏み入れることへの
危機管理の意識すら
おろそかになってしまう…


それはどんな人にだって
当てはまることに思える。

信用したものには、
警戒を必要以上にしないものだし
それは関係を進展させるには、
和らげるべきものかもしれないから。


ただ、

疑うことを忘れることは、
怠惰でしかない…




メリーさんが…
同一人物だけとは限らない。


複数で?


でもなんで…




それでもやっと、
メリーさんの断片が見えた気がした。



まず


第1に、誰も居ない場所しか撮影していない

第2に、フラッシュをたかずに撮影している

第3に、勝手に店内に無断で入れる

第4に、短時間に駅からの移動手段を有している


………


ここまではなんとか、でも



第5に、姿が鏡に映らない


よく行っている場所なので知っているけど、
茶店の中には大きめの鏡がある。


ちょうどそれが写っているのに。

撮影者の姿は映ってない。


ただ単に暗くて見えにくいだけなのか、
計算ずくでちょうどこうなるようにしたのか、



相当の知能犯か、それとも愉快犯か



姿無き相手に、戸惑うことしかないの?
怯えることしかできないの?



幼稚な内容の言葉だけでは
真意はうかがい知れない。








わたし、メリーさん


今、コンビニの前にいるの





メリーさんが毎回、
報告する場所を線で結んで考えると…


その先には―








わたし、メリーさん


今、交番の前にいるの






大胆なことしているが、
通行人も誰も写ってはいない。

交番があるのは家から出て
角を曲がってちょっといったところだ。


間違いない。





こっちに来ている。




もしかして、もしかして。






行動しなければリスクがあるとすれば、

今がそのときかもしれない。



今この家の場所は知られていたとしても、
私自身の場所はわからないはず。


でもそれは自分の憶測でしかない。


そこで気がついた…


メリーさんさっきから連絡をしてくるところは
自分がいる場所にある通信端末…



ということは、
この内全体が盗聴カメラでも仕掛けられて…



家を出て逃げようにも、
メリーさんの移動速度に
すぐに追いつかれそうだ。



逃げ切れたとしても待ち伏せされていたら

逃げ道はない…



もしくはもう、
はじめから…外に出るように
促していたのか


いったいどうすれば。



メリーさんは未だここに来ると
決まったわけじゃない…んだけど。


携帯番号とメルアド知ってるだけでも

アリエナイのに…


私になんか用でもあるの?


マジで、意味わかんないよ!



何がメリーさんだよッ!!

片腹痛すぎだよ。





とか、言ってる場合じゃなかった。



えーと、えーと



だったら、まだ時間がある。




家中の内側からの鍵が
すべて閉まっているかを確認した。




はじめから、この家の中に?


密室となった今、
最悪な状況になった気がした。




考えすぎも気の毒だ。



そうだ、


もう携帯の電源も切ればいい。







わたし、メリーさん


今、玄関の前にいるの







これもダメか…



居間の電話の留守電に
メッセージが勝手に記憶される。



テレビがいきなりつき、
玄関前が映し出される。



ついに近くまで来てしまったようだ。


今なら、

ドア越しにメリーさんを

確認できるかもしれない。




玄関に誰が来たのが見ることが
できる小窓から眺めてみる。



そこには誰も居ない。

何の気配もない。


律儀にドアホンを鳴らすとは思えない。



ドアを開けるのは気が退ける。


とにかくリビングに戻る。



再び、居間の電話に応答せよと、

けたたましく鳴る。


数10秒もすれば、

また留守電用のメッセージが
再生されるだろう。



玄関から入れないと
わかったらどうするのか



受話器を手にする。








わたし、メリーさん


今、居間にいるの






……っ



この状況で余計なことを…



いやむしろ、
ウケねらってないだけ不気味すぎる。




やっぱり、来た。



もう、文面がすべて真実だとすれば恐ろしい。
単なる悪戯なら迷惑すぎる。


詐欺の手口は、嘘と真実を混同すること。
対象者は何が正しいのかわからなくなり、
理性のタガが外れる。

行くところまで行ってしまうと、
イケナイコトとわかっていても、
それをせずにはいられなくなってしまう…

繰り返しの慣れの動作と
見覚えのある微かな悦のために。


陥っていく、堕とされていく…



恋愛でもいつも冷めている人物が
急に優しい言葉をたまにかけたりすると、
そのギャップで惹かれるといった
妙な心理的な作用があったりする。

一度覚えた刺激的な快感を
連続ではなく断続的に与えれ、

それを長期的に経験してしまうことで
あるときから、

その刺激が失われても、
また与えられることを
にわかに期待して、

快感を与えられるための行動を
繰り返し続けて
その状態から抜け出せなくなる。


エサとしつけで手懐けるかのように、

誘導して。



こういうトリックを意識的に、
自然な振る舞いで演出する…



鍵をかけたくらいで
どうにかできる相手ではなかった。



キーピックで進入!?




無論、誰も居間にはいない。



電話やメール、
一方的なメッセージに
誘導されるように

結果的に

自分がこうするように
仕組まれていた様に感じた。



ここまで周到だと、


それを早くに気付いたとしても、
抗うことできなかったかもしれない。






まるで、
今日私がこうなることをあらかめ、
決められていたように。



すべての出来事が
こうなることが

はじめから…


不自然に、自然に。



なぜ私なの?
それはたまたまだったの?


偶然が…必然に!?





予期できなったわけじゃない。
ヒントはいくつもあった。

でも確証はなく、
回避する術はわからなかった。



家族が家を留守にすることも。


エリカがドタキャンすることも。


私が独りきりで電話に対応して
結果的に密室になるように。、


こういう状況に陥ってしまった後では
自分ではどうしようもできない、
独りになってしまった状況だったから。


単なる王手ならず、

詰みの状態。



メリーさんがその名を唱えるとき、
チェックメイトと宣告されていた?



好奇心どころではない。


どこに行ったとしても、
呼び鈴は鳴るだろう。




それを無視し続けることは

不可能…



諦めににも等しく

もうそれに
気付いてしまったから…




もう聞きたくない。


耳をおさえた。




電話回線もコネクタを引き抜く。





携帯がバイブレーションと共に

一際大きく痛いくらいに鳴動している。



電源が入っていないなずなのに。


電池が入っていない携帯が
バイブレーションするのが
おぞましいと感じた作品を
思い出した…


このときほど非日常が現実になることの
真の恐怖と激しいストレスが
心に重くのしかかるの感じる。



はじめから電源有無は関係なかったようだ。
ただ、意識の届くところにということらしい…



視界がやや暗く翳って
さっきまでの必死な自分が
嘘のようにやる気が減衰していく。


ただ、

胸の動悸がさっきから
緊迫で痛いくらいに鳴動している。


もう怯えて、足取りのおぼつかない仔猫の
それのように、ふらふらと身をかがめて
のそのそとある場所に向かった。


ソファに投げ出して置いた、バッグからポーチを
取り出し、震える手でファスナーを開く。


中から、あるものを

あたふたしながら探し出した。


気が動転して…る…

もうわけわからなくなっていたときに

ふとエリカの顔が浮かんだ…


私いつも励ましてくれたのも、
困らせてくれるのも、あの娘だ。


そっと握りしめた、その手にあるものは、

合格祈願ために修学旅行で
一緒に買った学業成就の御守り…


こんなときに…
役立つ代物じゃあないのに
そうせずにいられない、唯一の…


思い出の一つも浮かばず、


小さく小刻みに繰り返される自分の呼吸に
気持ちを落ち着かせることことができない。

いつかからこうなったのか…

ついさっきからこうだ。



空気を吸おうとしているのに
まともに息ができない。

気持ちが落ち着けないのは
呼吸のせいじゃない。


これから何があるのか
わからない…

気配の全くつかめない何者かが…


ここに来ている…

と、そう思うだけでムナクソ悪い…
必死に抵抗しようとして、
自分が無力だと知った。

今こうして、何もできなくなって
背を丸め、弱々しいだけの自分は…



…え?何が…


何が、怖いの…?


な、なにって…


だから、何に怯えてるの…私は。


さっきから
メリーさん、メリーさんっていう


メリーさん、だってば。



じゃあ…メリーさんって、なに?



そんなの、知らないよ、

知るわけ…ないのに…




震える手で、

いつまでも鳴り止まない
それを黙らせる。


通話ボタンを押して。
怖ず怖ずと耳元へと。



ここまできたらもう…


もう片方の手は御守りを握り締めたまま
胸に押し付けられていた。

絶えず早鐘のように轟き、はやり脈打つ鼓動は
何をそんなにも伝えたがっているんだろう…




そして…







わたし、メリーさん

今、あなたのうしろにいるの







ツッ…





振り向くと、



そこに…




………!!!■










posted by EVILITH at 00:00 | TrackBack(0) | メインコンテンツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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